20070924 外部フィルターを水槽の横に設置する場合に考慮すべきこと

セオリーから言えば外部フィルターを水槽の横に設置するのは良くない。製品設計上水面とモーターヘッド(ポンプ部分)に落差が必要だからです。

しかし諸般の事情により水槽横に外部フィルターを設置したい場合もあります。(水槽台を買うお金がもったいないとか、そこしか場所がないとか...)

一般的なポンプは「吸い上げ型」ではなく「押し上げ型」です。

同じポンプでも吸い上げと押し上げでは能力が異なります(吸い上げ能力は著しく劣る)。吸い上げ型では期待通りのポンプ能力が発揮できません。無理に大きな外部フィルターを買って吸い上げで運用するより、それより小さいけれど押し上げで運用できる製品の方が能力を発揮するはずです。

また吸い上げ型に近くなると外部フィルター容器が負圧となります
(押し上げ型は正圧になります)。

負圧の場合と正圧の場合では容器にかかる力が異なります。

負圧と正圧では発生するトラブルが異なります。

用いられているパッキンは正圧を前提として設置されていますし、そもそも負圧では容器が凹みます(正圧では膨らむ)。
負圧でのトラブルがエア噛みなら漏水より被害は少ないのでは?と思う無かれ、容器変形による隙間から漏水を誘発するんです(ポンプ能力が大きい程負圧も大きくなります。必然的に容器変形も大きくなり漏水の危険性が高まります)。それに比べて正圧ではかなりの高圧でなければ漏れません(その前にホース接続部分が吹き飛ぶでしょう)。

つまり
外部フィルターが許容する負圧は非常に幅が狭い
なんとしても外部フィルターが正圧となるように設置が必要
ということです。

外部フィルターの高さと水面を比較したとき、必ず水面より低くなるように設置が必要なんです。
だれがなんと言おうとこれが真理です。絶対です。横において大丈夫だよなんて体験談を信用してはなりません。
たしかに能力の低いポンプであれば負圧も小さくなるので水面とイコールであっても問題ないでしょう。能力の低いポンプということは小さめの外部フィルターということです。そうであれば容器が円形に近く変形しにくい(円形であれば負圧の掛かり方が一定になるため、逆に四角は難しい)のは道理です。
しかし世の常は「なるべく大きな外部フィルターが欲しい」そうですよね?
私も60H水槽(60cm水槽で高さが45cmの変則水槽です)にEXパワー120つけちゃってます。
でも苦労しました。

水を44cmまで水を入れてもEXパワー120は全高43cmもありますから落差hは1cmしかありません。それに44cmも水をいれたら水槽に腕をいれるだけで溢れ出ます。
更にEXパワー120は能力の大きいポンプを使っているため負圧が大きく、落差hが1cmではエア噛みが恒常的に発生していました。これでは添加した二酸化炭素がどんどん逃げていってしまいます。

上記の理由により水槽横に設置する場合は水面と外部フィルターの全高を比較してできる限り落差hをかせぐ必要があります。

もちろん「なるべく大きな外部フィルターが欲しい」という欲求はありますからろ材容積が同じもので比較しています。
具体的な製品名で例えるとコトブキSV9000とEXパワー120で比較します(本来であれば競合製品はSV9000とEXパワー90ですが、私がEXパワー120なので無理やり比較します)。
ろ材面積は多少異なりますが双方とも7リットル以上入る仕様となっています。値段はSV9000の方がかなり安いようです。(2つで比較した方が理解しやすいのでエーハイムは除外します)

    

※webサイトからひっぱってきたのでの画像で大きさは比較できません。

余談ですが今だ旧製品をwebサイトに掲載しつづけているコトブキは何を考えているんでしょう。旧製品はもうオフラインなのですからせめてpdfなりで公開すべきだと思うのですが...。
コトブキのwebサイトには情報がないので通販サイトを利用しますがSV9000は全高が47cmです。

 名称   全高(cm)   落差h(cm) 
水面 44 -
SV9000 47 -3
EXパワー120 43 1

もちろん水槽横に置くことを前提とすればEXパワー120を選択するべきです。
いやいや、本来はもっと小さな外部フィルターでも十分なはず
1ランク小さいサイズと比較しましょう。

 名称   全高(cm)   落差h(cm)   ろ材容積(リットル) 
水面 44 -  
SV5500 42 2 5.5
SV9000 47 -3 7
EXパワー120 43 1 8

SV5500はEXパワー120と1cmしか違わないのです。これでは小さくして落差hを稼ぐといっても「大きなものが欲しい...」という欲求を諦めた代償としては小さいです。
つまりコトブキの商品であればSV4500(39cm)までサイズダウンするしかありません(ますます「大きなものが欲しい...」から遠ざかります)。
仕様で比較するとコトブキの商品は高さで容積を稼いでいるようですね。

別にテトラの製品が優れていてコトブキが劣っているわけではありません。どちらかと言えばSV9000はろ材容積が大きい割りに他社よりかなり安価で財布に優しいと言えます。水槽台を置いて落差hが自然と稼げるなら、より安価なコトブキの製品が優れていると言えるでしょう。もし見える場所に置くなら「よりスリム」なコトブキの製品が望ましいかもしれません(コトブキの製品は大中小と底面積がほとんど変化しない)。

エーハイム/テトラ/コトブキ製外部フィルター毎の高さと底面積一覧を添付しておきます。
フィルター高さ.xls
この表で欲しいフィルターの高さと水面を比較してはいかがでしょうか?